読書日記【026】洋燈の力の届かない
プールサイドに一匹の蜻蛉がやってくる。はるかさきの崖に、とんびの滑空する影が落ちる。崖の上にはがらんどうの邸宅が並ぶ。
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夜が訪れると縁側に座り、とりとめのないおしゃべりを始める夫婦。二人の仲睦ましい習慣は微笑ましくもあるが、世捨て人のような諦めの気配も滲む。洋燈が照らす縁側の二人より、彼らを包みこむ”洋燈の力の届かない”夜の闇がいちだんと印象に残る。
寄る辺ない者同士が肩を寄せ合って生きていく姿を見ると、胸がしめつけられる。相手を失ったら、生きていけないのでは?と勝手に心配になるからだ。それは夫婦関係に限らない。
宗助は御米なしではおそらく生きていけないだろう。御米、途中で死んだりしないよね、とある意味ハラハラしながら『門』を読んでいる。
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夕方近所を散歩していると、民家の塀の上からバレーボールが飛んできた。
2022/07/09(土)