読書日記【015】暴力にたよる以外の

コンビニエンスストアでひまわりの花束を買う客を見かける。真紅の薔薇の花束を買う客も。売り場には色々な花が。その中に淡いピンク色の紫陽花があった。札には”アフタヌーン・ドリーム”と書かれている。

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庭は植物による侵略の働きを管理できるだろうか? おそらく迎え入れることができるし、そこからさらに方向づけることもできるだろう。
 そうだとすれば、侵略的外来種を撲滅しようとすることは、この侵略の働きの前に屈したことを認めることに他ならない。というのも、それはわたしたちの現在の知識が暴力にたよる以外の手段を知らないことを示しているからだ。

ジル・クレマン 『動いている庭』みすず書房より

畑で野菜や花を育てていると、犠牲にしなければならない命の多さに気づく。

次々と生えてくる雑草は片っぱしから引っこ抜くし、害虫は見つけたら捕殺する。作物自身にしても、のちの収穫をコントロールするため、成長の遅い芽は間引き、脇芽などの余計な部位は摘み取る。

自分たちの都合で他の生命を「操作」している、という強烈な実感があった。うぶで大げさかもしれないが、暴力にたよる加害者としての自覚である。暴力には反対だが、さまざまな形の暴力を(ときに無自覚に)利用して生きる自分のことを棚上げにはしたくない。

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近い将来の洗濯物の増加を見越して、小型の衣類乾燥機を買った。その仕上がりに驚いている。タオルやシャツがふかふかだ…!

家族は、このふかふかな洗濯物に埋もれて窒息してもよいと言っている(それくらい心地よい仕上がり)。もっと早く買ってもよかった。

2022/05/31(火)