読書日記【014】覚悟を決める

砂浜は真夏の海水浴のよう。炎天下の駐車場で車座になる若者たちと、濃紺色のコンクリートに散るミモザの黄色い花びら。

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過去の不正がどう正されるというのかね? もう存在しない事柄に対して償いなんてありうるのかね? どうだい? 無理に償いを求めたりすると思いもかけない結果を生むことにならないかね? 将来こういう結果になると分かっている行為などあるかね?

だからどんなひどい目にあっても、どんなにがっかりするようなことが起こってもかまわないという覚悟が必要だ。分かるかね? しかしすべての行為にそんな覚悟を決めるほどの値打ちがあるわけじゃない。

コーマック・マッカーシー 『越境』より

何かよくない出来事が起きることを想像して不安になることを"予期不安"と呼ぶらしい。将来の精神的ショックの先取り、いわば心の予防接種。

ひどい目にあうかもしれないと不安がることと、ひどい目にあったってかまわないと覚悟を決めることは、ひどい目にあう自分を想像している点で似ている。異なるのは、そうなる自分を受け入れるかどうか。予期不安はどうすれば覚悟に変わるのか?

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ムナリモビールを自作する。天井に吊るすガラス玉は、ガチャガチャの空カプセルで代用。

2022/05/29(日)