読書日記【017】小さなひと手間
穏やかな海、白糸のような雨。途中駅で修学旅行生の団体が搭乗、電車の中はにわかに騒がしくなる。走行中、学生たちの鞄から吊るされたJTB社のタグがゆらゆら揺れる。
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小さなひと手間を加えた事実が少しでも相手のよろこびになるのであれば、それはもう”手間”ではないと思う。
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手書きの手紙やカードには格別の喜びがある。送るときも、受け取るときも。
モノとして残るのもよい。すっかり忘れた数年後、部屋の掃除中に見つけて読み返すそれらのなんと面白いことか。データは過去の履歴を検索しないと読み返せないので、メッセージの存在自体忘れたらおしまいだ。
唯一の難点は、やりとりする相手がなかなか見つからないこと。何でもない日に突然送ったら相手が戸惑うかもしれない、などと気を遣わなくてもよい相手が。
昔は雑誌の誌面で読者が氏名・住所を公開し、文通相手を募集していたらしい。個人情報保護意識の緩い牧歌的な時代の文化だ。
最近は文通相手をマッチングする文通村のようなウェブサービスもあるようだが、互いに個人情報は非公開のままやりとりできる仕組みになっているそうだ。
(ところで、いつごろから私たちは自分のすまいや居所を他人に知られてしまうヤバさに気づき始めたのだろうか?タウンページなんて今考えたら嘘みたいだ)
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最近スーパーやコンビニでカットレタスを見なくなった。
2022/06/06(月)